中国環境保全支援委員会

ごあいさつ

今、私たちが中国で何をしているか。

目覚ましい経済発展を遂げる中国。それとに伴う急激な工業化が,環境に与える影響も深刻になってきています。中国の環境保全支援委員会は,「環境保全の実現には,はじめに環境監視ありき」の考えに基づき,中国における大気環境モニタリングの体制整備をNGOの立場から支援すべく1993年に活動をはじめました。主な支援活動は,日本の地方公共団体の使用済み大気汚染自動観測器をリサイクルし,中国の民間団体や大学などの機関に測定器保守管理技術とともに提供することにあります。委員会はこの3年間で南京,成都,黒龍江省など8関係機関に,のべ30台におよぶリサイクル自動測定器を提供しています。 しかし消耗材の調達や故障時の修理,部品交換などのサポート体制が中国国内にないため,リサイクル自動測定器を使い,継続的に環境汚染データをとりつづけるのは大変難しいという事実に直面しています。もちろん,委員会としては,供与した1年後からは必ず独自に維持管理のための予算を計上し,対応するように求めてはいます。
しかし,中国の環境部局の予算は非常に限られており,しかも予算の大半は公害違反によって徴収した罰金で賄うというのが現状なのです。経済成長の中で,環境保全に対する意識がまだまだ低い,というのが正直な感想でしょうか。

広大な中国全土に対して支援の手を差しのべたい。その気持ちは今も変わりませんが,委員会の人材,資金は限られています。そこで,今後はこれまで支援してきた関係機関に的を絞り,リサイクル自動測定器による大気環境モニタリングが正確かつ安定的に運用されるための活動に全力を注ぐことにしました。

それと同時に,中国で90%の普及率に達したといわれるカラーテレビの影響力を利用し,中国の人々の環境保全に対する啓蒙活動にも積極的に参加していきたいと考えています。

谷氏

中国の環境保全支援委員会
委員長 谷 學